9月30日
  しょうもないだけが人生
 

   生理突入。ダルダル。起きたらパンツ汚してるし。染みにならないように急
いで石鹸で洗う。情けねえなあ、いい年して本当に。

 リトルモアから掲載誌が届いていた。
「バイセクシュアル放浪記」をさっそく目次で確認。
 えーと、どんなふうに載ってるのかな。
「好きな人が傷つき苦しむことでしか私は興奮できない。女(バイ)と女(レ
ズ)の激しくクールな愛の行方』
 おー、ゾクゾクするなあ。
 掲載ページを見てみる。自分の文章に絵をつけてもらうのははじめてだ。
 一ページ分を使って描かれたトカゲの絵があった。ああ、いい絵を描いても
らったなあ……と思った。絵が内容に合いすぎていて、なんだかほろ苦い気持
ちになった。

 今回、リトルモア(という出版社名で、社名と同じリトルモアという名前の
季刊文芸誌を出しているのだ)の「ストリートノベル大賞」の佳作をもらった
わけなのだが、賞をもらった後、リトルモアは実に丁寧に書き手へのフォロー
をしてくれた。
 勢いのある雑誌はやっぱちがうなあ。
 老舗の”死んでる文芸誌”なんか、若い人は誰も読んじゃいねえけど(てい
うか、年は関係なくいったい誰が読んでんだ?)、リトルモアは、ちょっと鼻
のきくワカモンならチェックしてるもんな。だって、実際、読んでておもしろ
いもん。

 今回の号だって、宮崎・キツネ目の男・学と、吉本の山田花子と、吉本ばな
なが一緒に仲良く載ってんだぜ。それ、どういう組み合わせなんだよ(笑)。
 だから、他の老舗文芸誌に「あんなの文芸誌とは認めない」って言われるん
だよ。まったくサイコーの賛辞だけど。

 今回は生理痛がいつもより軽くて、珍しく出かける気分になった。
 遅ればせながら「アイズワイドシャット」を見る。
 あちこちで散々に酷評されてたけど、そう? いいじゃん、私は好きだな、
この映画。じわじわとボディブローのように静かに響いてくるものがあった。
 人間なんてしょうもないもんなんだってことを、皮肉からもっとも遠い地点
で語ってる映画だと思った。

 キューブリックは、遺作としてこの作品を残せたことに、あの世で大満足し
てるだろう。神様は最後にこの作品に到達したかったんだろうな。
 なんじゃこら? ってボロクソに言う人がいっぱいいるだろうこともすべて
見越して、あの世でにやっと笑ってるはずだ。カックいい。


 通り魔事件が続いてる。
 東海村では放射能が漏れてる。
 オウムはどこにも行き場所が無くなり流浪している。
 山田さんの家では真っ赤な彼岸花が咲いている。
 私はキリン午後の紅茶を飲んで寝る。ふー。







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