９月１６日
	家で死にましょう
	眠い。一日中、爆睡。午後三時ごろ、目が覚めてメールチェックした以外は 夜、十時くらいまで寝ていた。 　今日はクーラーがいらない。涼しくて過ごしやすい。 　昨日は「敬老の日」で祝日だったのかあ。そのへん疎いので、祝日は祝日で も何の祝日なのか、純ちゃんのホームページで日記を読むまで知らなかった。 　純ちゃんのおばあちゃんは七十七才。行きつけの飲み屋ありーの、麻雀大好 きーの、カラオケ行きまくりーの、たいへん元気なバーサンらしくて何より。 　純ちゃんと純ちゃんの妹とおばあちゃんとで、お好み焼き屋に行ってきたそ うだ。 　純ちゃん一家は、ホント楽しそうだ。 　お父さんとお母さんは仲良く二人で、グッチ祐三のコンサートなんか行っち ゃうし。なんでグッチ祐三なんだよ（笑）！ 　風呂場で誰かが裸で着替えてても、みんな平気で出入りするらしい。 　お父さんが裸でも、純ちゃんは入っていっちゃうし（これはいいけど）、純 ちゃんが裸でも、お父さんは平気で入ってきて歯を磨いたりするらしいのだ。 「うちって、すごくオープンでさ」 　って、オープンすぎるだろ、ちょっと！ 「うちのパパのアレ、すごく大きいんだ。だから、それが標準のサイズだと思 ってたから、他の人のを見たとき、えー！　こんな小さいの！　ってびっくり したんだよ」 　純ちゃんは言う。 「パパのが今まで見たなかで一番大きいの？」 「うんダントツかも。だって、ふつうの状態で、勃起とかしてなくて大きいん だもん」 「勃起してるとこは見たことないの？」 「ない。それはさすがに（笑）」 「純ちゃん、風呂場でちらちら、お父さんのイチモツ見ちゃうんだ」 「うん。だって、そこにあったらやっぱ見ちゃうじゃん」 　ここで一つの大いなる疑問が生まれる。 「けどさ、純ちゃんがお父さんのイチモツ見るのはいいけど、お父さんが純ち ゃんの裸を見るのって、そのさ、だいじょうぶなのかな？　子どものときから 中学、高校、大学、今も実家に帰ったとき、そうなんでしょ？　純ちゃんのお っぱいとか、陰毛とか、お父さんは見ちゃうんでしょ？　そのさ、たとえ親子 でもエッチな気にお父さん、なんないのかな？」 　純ちゃんは、はっきりいってめちゃめちゃ美人なのである。親子といえど、 あんなかわいい娘の裸を見たら、興奮しちゃう気がするんだけどなあ。 「お父さん、絶対、興奮してるって（笑）」 「ないってばそれは（笑）」 　父親と娘の関係が私にはわからないから、そんなふうに思うのだろうか。 　遠い記憶。 　私が幼稚園のとき、祖父が死んだ。 　死ぬ一ヵ月くらい前、祖父は家の庭をちょっと行ったところから、辺りの景 色をじーっと眺めていた。 　私の家はとても田舎で、あるものといっても田んぼと木だけなのだが、祖父 は立ったまま、じーっとそれらを見ていた。たぶん一時間は見ていただろう。 　飼い猫のミーを「埋めてくれ」と、祖父は母に言った。 「ミーはまだ生きてますよ」 　母は言った。 「ん？　そうか、生きてるか。そうかそうか」 　すっかりボケてしまっていた。 　祖父は病院ではなく、家の畳で死ねた。幸せな死に方だったと思う。 　いつも自転車で気ままにどこかへ一人で遊びに行く人で、あまり家にはいな かった。父と折り合いが悪かったようなかんじがあった。 　死んだのか眠っているのかわからなくて、 「おじいちゃん」 　と、母が祖父をゆさぶった。 「バカ。気持ちよかったのに。起こすんじゃない」 　祖父は怒った。そして、また瞼を閉じ、そのまま二度と目を開けなかった。 　それから、父があちこちに電話をかけて、たくさんの人が家に来た。 　人が死ぬのをはじめて見たのは、私の場合、祖父だった。 　縁起でもないけど、もし千佳ちゃんが病気とかになって命がどうとかいうこ とになったとしたら、最後は病院ではなく、家、二人で暮らした部屋で逝って ほしいと思う。それで一年命が縮んでも、そのほうが絶対にいい。祖父の死に 方が、私にとって、人の死に方の見本、理想になっている。 　あー、でも想像でもヤだな、こんなこと考えるのは。 　ホームページにphoto 追加。「おしりパイ」と「そのデルタ、スケスケにつ き」。photo が充実しまくっている。 　ヤフーって、なんで一発で登録できないんだ？ 三度目で登録成功という人 もいるし、わけわからん。私は現在、二度目の申請中。クソー。ヤフーめ。
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