９月７日
	ネットイリュージョン
	その人がどう読むか、あの人は私の本をどう読むだろうか、と気になる人が 何人かいた。 　そのうちの一人が、「おもしろかった。やっぱりNAOのことを知っているか らなんだろうか。ううん、私はNAOのことを何も知らない。会ったこともない し声を聞いたこともない。もしも、NAOが十代の少年だったとしても、私には 気づく術がない。それはいい。もちろんまったくオーケーで、それこそがネッ トの面白い所だとさえ思う」と言う感想をくれた。 　そう。そうなのだ。 　もしかしたら、私は男かもしれない。ネカマかもしれない。ワシのネット日 記を読んでるだけの人には、それを判別する術はない。 　私は実は、市のカルチャーセンターでパソコンを覚えたてのおばあちゃんか もしれない。生意気で頭のいい小学生の女の子で、学校に置いてあるパソコン からこの会議室に日記をアップしているのかもしれない（それって、すげえカ ッコえー）。 　ＳＭクラブで働いているというのは妄想で、実は精神病院のベッドからノー トパソコンで書き込みしているのかもしれない。ヒマな主婦が、NAOになりす ましているのかもしれない。そうだとしたら、みんな、褒めてくれや。すげえ わ、それ。 　ネットには、きっと、性や人格を変えた、現実には存在しない人たちがたく さんいるだろう。嘘と真実がごろごろ混じり合っているだろう。 　けど、それは、とても素敵なファンタジーではないだろうか？ 　私はそのファンタジーをせせら笑ったり（いい意味では笑うけど。ガッハッ ハッと笑うけど）、小バカにしたり、呆れたり、否定したくはない。というか 支持したい。おもしれえと思う。 　真実にいかほどの価値があるだろう？　嘘には価値がないだろうか？　 　真実の中の嘘に私は気をつけたい。嘘の中の真実をすくいとる目を私は持ち たい。けど、しょせん、真実も嘘も区別をつけられるものではないのかもな。 たいして違わねえのかもな。なんかちょっと難しいわ。 　私の愛してやまない萌え萌え（笑）メルマガナンバーワンは、なんといって も「サイバッチ！」だが、二番手のラブは「おしり倶楽部」だ。 　どっちもべらぼうな購読者数なので、読んでる人も多いだろう。 「おしり倶楽部」には読者手記があって、毎回、読みごたえがあるのだが、中 でも、むつきさんという女性の、手記（時々、創作も書いている）が、群を抜 いておもしろい。 　むつきさんのアナルに対するこだわりには、私は感動すら覚える。素敵な妄 想をたくさん抱えている女性だ。 　それから、毎号、パートナー募集の欄があるのだけど、これが読んでいて笑 えるんだよなあ。 　絶対、女からメールが来ることはないと思うけど（笑）、毎回毎回、「Ｍ女 募集！　あなたのアナルを優しく優しく開発してあげます。まずはメールのお 付き合いからはじめましょう！」みたいなのが載っていて、読んでいると、こ れがまったくおもしろいのである。時に、ギャハギャハ、と声をあげて私は笑 ってしまう。イカした募集文が満載なのだ。「おしり倶楽部」のパートナー募 集欄を読むことが、一日の仕事を終えた私の楽しみだったりする（笑）。 「おしり倶楽部」、かなり好きだぜ〜。 　本を買ってくれた読者からのメールがぽちぽち舞い込みはじめた。 　ひとつ発見。ドコモのiモードメールで出してくれる人が多い。
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