９月１日
	オナニーリレー
	行って行けないこともなかったが、今日も生休。三日間、部屋で山籠もり。 　生理痛がおさまってくると、猛烈にむらむらしはじめる。 　あっちこっちに電話して、「オナニー聞かせて」とせがむ。電話できる相手 すべてに電話する。 　なんだか一日中、女の喘ぎ声を聞いていたような気がする。いや、電話の総 合時間は四時間ていどだったろうからそれは大げさだ。が、なんだかそんな気 がした。オナニーリレーのようであった。生理で血が足りない体なので、頭が 半分、夢の中にいるようだ。 　女の喘ぎ声って不思議だ。別人みたいな声になる。どうしてあんなに声が変 わるんだろう。さっきまで喋っていた声とがらっと変わる。 　とにかく、声があまーくなる。「あーん、あーん」と喘ぐときの、あのかわ いいあまーい声は一体どこから出てくるのだ？　どうして、どこから出てくる のだ？ 　リレーのアンカーは、純ちゃんだった。 「今まで五人聞いた」 　正直に言うと、 「やっ。あたしは聞かせてあげない」 　と怒った。 　三十分くらい、「聞かせて」「聞かせない」の押し問答がつづく。 「今、座ってる座イスの後ろの押し入れの中にローターあるでしょ。早く出し て。持ってきて。ね、純ちゃんのオナニー聞かせて。エッチな声聞かせて」 　ローターがしまってある場所も私はよくわかっている。 　いつまでも電話を切りそうにない私に根負けした純ちゃんが、しぶしぶオナ ニーをはじめる。 「やだって言ってるのに強引にさせて、それで純子のエッチな声聞いて、NAO ちゃんはうれしいの？」 「うん、うれしいんだよ。人妻の純ちゃんが、ダンナさんのいないすきに、女 相手にオナニー聞かせてるのかと思うと興奮しちゃうんだよ。ね、ちゃんと両 足大きく開いてる？　ローター、クリに当ててる？　ねー、もっといっぱい、 いやらしい声出してよ」 　ポルノ映画じみたことを言ってみたくなる。 　そろそろ、私の悪いクセが出てきたようだ。たぶん、純ちゃんのことを、本 当の本当にすごく好きになりはじめている。もう、純ちゃんと優しいセックス はできないだろう。感情と仕打ちが、これまで何度も繰り返してきたように、 また逆向きになりはじめている自分を感じる。 「こんなのいやっ」 　純ちゃんが泣きそうに言う。 「そんなこと言われると興奮しちゃうな。純ちゃんも、いやがりながらオナニ ーして興奮してるんでしょ？　下の口、涎だらだらなんでしょ？」 　生理中のマンコを私も撫ぜる。指を見る。血と透明の粘液が混ざったぬらぬ らした液体は、とてもきれいだった。
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