１０月２３日（土）
	盗み読み
	おーい、君たち、そんなにNAO日記のファンかい？ 　そんな三、四日、日記の更新がなかったからといって、死んでやしないから 安心したまえ。 「NAOさんの日記を読まないと、一日が終わらないんです」 　なんてメールを出してる、そこの君。 　アハハ。そんなに好いてくれるのは悪い気はしないけど、日記は書けるとき には書くし、時間的に気分的に書きたくないときは書かない。それだけだよ。 　そうだ、いいこと教えるよ。ワシが休んでるあいだ、君の恋人の日記を盗み 読んでみるのはどう？ 　日記ってさ、意外と無造作に管理されてるもんで、鍵付きの引き出しになん かしまってないんだよ。きっと、机の二番目あたりの引き出しに入ってるはず だから、探してみるといいよ。これは、今まで何人もの日記を盗み読んだ私の 経験から言えること。 　ひでえ人間？　うん、そう。下種な人間？　そうなんだよ！ 　けど彼女たちの日記を読むと、思いがけず私にウソを言ってることなんかが 発覚して、読んでてかなりエキサイティング（笑）。 　ああ、あのときはそうだったのか、実はそういうことか、私との約束をキャ ンセルして、違う人と会ってたのか、意外とやるじゃん。って、頼もしくなっ たりしてね。私にウソをついたとき、けっこうドキドキしたんだろうなって思 うと、かわいくて抱きしめたくなるんだ、これが。 　センチメンタルに「NAOちゃんが好き……」なんて、言葉が書いてあると、 うれしくてたまらなくなる。そんな日は、花束を買って彼女にプレゼントした りする。 「え？　なになに？　誕生日でもないのに」 　って、あのとき驚いたのは、実は日記を読んじゃったからなんだ。ごめん、 ごめん。勘弁しろ（笑）。 　ワシはこう見えても小心者で、スポニチのコラム（十一月六日から）の書き ためをしている最中なのだ。って言ってもまだ一回分しか書けてないけど、ほ ら毎週毎週、締め切りって心臓にわるいじゃん？ 　だから、それまで日記は休み。そんなに遠くなく復活するけど、それまでは みんな、恋人の日記を読んでてよ。 　人間なんて、みーんな、下種なんだから、他人の日記がそこにあったら読ま ずにはいられないよ。ワシみたいにな（笑）。 　キャンプに行ってる純ちゃんから電話。 「NAOちゃん！　こんな山の中なのにアンテナ三本立ってるよ！　すごいね！ 今、滝のすぐそばなんだ！　これから子どもたちがニジマスの掴み取り！　じ ゃねー」 　アッハッハッ。そっか、滝の近くから電話くれたのか。なんだか、すごくう れしいよ。ありがと、純ちゃん。
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