１０月１８日（月）
	遠くに住んでると
	さささささ、寒いよ！ 　秋の涼しさってやつは、一体全体どこに消えやがったんだよー！！ 　ワシは暑さにも弱いが寒さにも弱いひよわな現代人なので、もうヒーター出 しましたわ（笑）。通販生活で買ったデロンギのヒーター（この遠赤外線がた まらんのですわ）が、今、ワシの背中を温めてくれている。ぬくぬく。 「綾。ホステス、22歳。」を読んだスポニチの記者からメール。 　スポニチの風俗面コラムの依頼。キャバクラ時代の話を書いてほしいとのこ と。本の増刷はかからないけど、こういうふうに少しずつ反応が帰ってくるの はいいものだ。やってみようかと思う。 　最初から「うちは原稿料は少ないです」と言い切る、そのいさぎよさも気に 入った。まあスポニチは毎日新聞系列なので、ゼニの期待をするほうがおかし いというものだ。 　けど、「今月末からお願いできますか？」というのは、えらい急な話だ。執 筆陣の誰かが倒れたのだろうか。 　今日は仕事が休み。奈々ちゃんと映画「ディープ・ブルー」を見に行った。 　ＤＮＡ操作により知能を増大させたサメというより、あれはボケ老人と言っ たほうが近いな。ボケですよボケ。恍惚のサメ。 　まあ食うわ食うわ。ばっくばっく、人食うわ。食事したことをすぐ忘れちゃ うボケ老人みたいですわ。見事な食いっぷりにワシはうっとり（ぽっ）。 　ああいうパニックものって、映画の最初に、あ、この人は生き残る、この人 は死ぬって、たいがいわかるものだが、「ディープ・ブルー」はそのセオリー を完全に無視していた。 　あれよあれよというまに、登場人物がどんどん死んでしまって、ウソーン、 この人殺しちゃう？ みたいな。痛快この上なしで大笑いしてしまった。 　製作者側、めちゃめちゃ楽しみながら作ったんだろうなあ（笑）。 　このあいだテレビでやってた「アナコンダ」（人食いヘビ映画）が、期待し ていたほどショッキングに人を食いまくってくれなかったので、今日の映画に は大満足。 　たとえ映画の中だけでも、動物の人間への逆襲は愉快でならない。 　写真家の星野道夫はアラスカでクマに襲われて死んだけど、ああいう事件が ワシは大好き。いい死に方って気がする。本人も天国でまんざらでもないんじ ゃないかな、と思ったりする。 　夜、空で飲む。 　あいかわらず、ワシには他に行くところがないようだ。 　昨日の千佳ちゃんとの電話の話をマスターにすると、 「遠くに住んでるほどさ、まず真っ先にその安否が気になっちまうもんだよ。 で、それが確認できれば、なぜかそれだけで満足しちまう（笑）。 　逆から言うとさ、相手がすぐそばにいる時ってのは、哀しいかな、そういう 感覚が麻痺しちまってるってことなんだよな。好きとか嫌いとか、そういう感 情は大切だけどさ、人間、死んじまったらおしまいなわけだし。大切な人が今 日も元気に生きてる。本当はそれが一番ありがたい事なんじゃないのかなぁ。 それでいいじゃないかよ」と言う。 　それを聞いて、私はスーッと視界が晴れた気がした。 　ああ、そういうものかもしれない、と思った。
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