１０月１７日（土）
	千佳は少し笑って言った
	10/11 東京ドーム、小川直也VS橋本真也の遺恨マッチの録画を見る。 　小川のＴＫＯ勝ち。ぐうの音も出ない橋本の惨敗。 　勝った小川も負けた橋本もすごい。 　橋本はこれで終わりだな。曲がりなりにもカケラくらいは残っていた破壊王 伝説も、リングの主役を張れるポジションも、何もかも無くなった。 　残酷な結末。別に橋本のファンじゃないが、非情で壮絶な負けを背負いきっ た勇気はすごい。 　千佳ちゃんと国際電話。 　私の日記を、韓国で毎日読んでいるという。 「他の女の話がいっぱい出てきてイヤじゃないの？」と訊く。 　奈々ちゃんなんて、純ちゃんや他の女の子が日記に出てる日はキーキー焼き もちをやく。読むなって言っても、気になるらしくて、ワシがワープロで書い てる段階ですでに覗き込んでくる（笑）。 「そうだなあ。日本にいたらまた違うと思うけど、今はね、日記が書いてある と、ああ、NAOちゃん、元気にやってるんだなぁって安心する。風邪なおった のかな、だいじょうぶなのかな、とかさ。更新が止まってると、何かあったの かなって心配になるよ。NAOちゃんが元気でやってるか確認するために読んで る、ってかんじかなぁ」 　そういう見方で日記を読んでいるとは思わなかった。 　日本にいたときの千佳ちゃんの焼きもちやきは、かなりのものだった。 　泣きながら怒って、ワシによく抗議したものだ。 　千佳ちゃんの泣いた顔や怒った顔がワシは見たくて、焼きもちをやかれるの がたまらない快感だった。千佳のそういう顔を見てると、私のクリトリスはじ んじん疼いて興奮する。ぞくぞくするのだ。ワシという人間は、ほんと根っか らのサイテーな変態だ。 　千佳ちゃんの私と距離を置いたような発言を聞いて、二人のあいだの何かが 変わりはじめている気がして心がざわついた。 　単に地理的な距離のせいなのだろうか。 「千佳ちゃんのおっぱい吸いたい。もうしばらく吸ってない」 　私は言った。 「そうだね。もうしばらく噛まれてないね」 　千佳は少し笑って言った。
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