１０月５日
	すやすや蝋燭
	微熱。風邪を引いたっぽい。 　一人の指名客をこなしただけで早退する。 　体が熱くて、節々が痛い。激しく鞭を振ったりなどできないので、 「今日はたっぷり蝋燭なんてどう？」 　と、Ｍ男にさりげなく勧める。 　蝋燭はいいなぁ。ただ持って垂らしてればいいんだから、体に負担がかから ない（笑）。女王様の体調がよくないときにはもってこいだ。 　Ｍ男もなんだか体調がよくないらしく、本日は二人とも冴えない。 　けど、いくら体調がよくなくてもさー、おまえ、プレイ中に寝るなよ！ 　気持ちよさそうに寝込むなよ！　低温蝋燭っていうのは、低温というだけあ って、「アッチッチッー！」とわめくほどの熱さではない。 　蝋燭に慣れてるＭ男だと、肌に降りかかるチクッとした、ほどよい熱痛さを 心地よく感じるくらいだ。 　気がついたときは、Ｍ男の奴、寝てやがりましたわ。 　なんかね、スースー寝てましたわ。寝息が聞こえましたわ。 　疲れてる体に蝋がぽかぽかあったかくて、思わずいい気持ちになっちゃった んだろうな。アッハッハ。 　しかし、ＳＭクラブで、女王様の前でぐーすか寝るなんざ、いい度胸してる Ｍ男だな（笑）。寝顔、かわいかったけどさ。 「綾。ホステス、22歳。」を読んだ感想メール、ホームページで日記やエッセ イを読んだ感想メールがだいぶたまってきた。 　気がついたんだけど、「あなたは頭がよい方なんでしょうね」って書いてく る人が、けっこういるのな。 　誰かの本、作品を読んで、何か感じるものがあって、私が作者に手紙を出す としたら……。 　作者に対して「頭がよいのでしょうね」と私は書くだろうか？ 　絶対書かないね。というか、そういう言い方をするってことをまず思いつか ない。とんでもなく失礼な言い方だと思うぞ。 　もしかして、私が風俗嬢（元キャバ嬢でもある）だからか？ 　風俗嬢がパソコンができると知ると、急に無口になる客っているらしいのだ が（笑）、そのへんと共通の匂いを「頭がよいのでしょうね」に感じるな。 　風俗嬢の頭のレベルを、悪気はなくナメてんでしょうね。 　熱、ただいま三十八度なり。
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