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	１１月１１日（木）
	仕事よりデートが大事と思いたい

	いい天気。こんな日に仕事なんて行きたくない。いや悪天候でも行きたくないんだけどさ（笑）。やっぱ人生、遊んで暮らしたいもんだ。　奈々ちゃんと遊園地に遊びに行った。　ロックンロールとかいう乗り物、あれ、二度と乗らねえ。まったくひでえ目にあった。あんな狭い中に押し込められて、クルクルクルクル回る回る。　高低無しで、360度の回転ってキツイ。運動会の玉ころがしの玉の中に入れられて、ひたすら転がされるみたいな感じ。　ジェットコースターはワシは平気だ。あれは大空の中を大きく雄大に回るじゃん？　それは気持ちいい。けど、ロックンロール、どこがおもしろいねん！　ただのマヌケな乗り物じゃねえか！　もう気分が悪くて途中で降りたかったんだけど、ワシだけ「降ろせー！」ってわけにもいかんので（そんな声出す気力もなかったがな）、顔面蒼白で死人のように回されていた。降りてから胃液が逆流して口の中が酸っぱくなる。　大人はメリーゴーランドの馬に優雅にカッポカッポ乗ってるのがええね。　あんまり激しいのはもうダメですわ。ワシ、年ですわ。奈々ちゃん、わけえなあ。現役女子高生（ガッコ行ってないけどね）は違いますなぁ。　ワシは「はぁ、くたびれた。ちょっと休憩しよ」ばっかで（笑）、奈々ちゃんに園内を引きずられるように歩いてた。　ミラーハウスっていうのも恐かった。あの全面鏡張りの迷路、あれはワシはダメだ。あれも二度と入らん。気味がわりい。　あちこちに自分！　って気が違いそうになる。あんな中に一時間もいたらまちがいなくワシは発狂するだろうな。　鏡にゴツーンと思い切り頭ぶつけちゃって、奈々ちゃんに「直ちゃん、カッコわるすぎ」って大笑いされたのも、ちょっとムカついたし（笑）。　昼食は園内のまずいラーメン。「ピンポンパンポーン。お子さまが迷子になっております」放送がある。　高田ユウジ、もしかして親に捨てられたのか？　一時間のあいだに五回くらい放送があった。ふつう、放送聞いたら、速攻で駆けつけるだろう。何やってんだよ、高田ユウジの親。　本日のラストはお化け屋敷。　こういうタイプのお化け屋敷には私は初めて入った。　場内真っ暗で、席に座ってサウンドだけで恐がらせるタイプのやつ。今ってこれが主流なのか？　本当の正真正銘の真っ暗やみだった。　恥を忍んで言うが、はっきりいってものすごい恐かった。「あなたの後ろに、ヒヒヒ、殺人鬼がいーるーよー。ヒャッヒャッヒャッ」　みたいなのが聞こえて、足音がヒタヒタ聞こえてくるのだ。　これ、まじ、こえー。　場内真っ暗っていうのがポイントなのだ。家でホラー映画見てるのとは比べ物にならない恐さだ。ホント、まわりなんにも見えないんだから。　「いやー！」って奈々ちゃんが恐がったらかわいいなーと思って（ワシはホラー映画とか、テレビの稲川淳二の怪談話とか大好きだし、歩いて進むタイプのお化け屋敷もカートみたいのに乗って進むお化け屋敷も楽勝なのでタカをくくってた）、気楽に入ったのが間違いだった。「いやー！」はワシのほうだったのさーっ！！！　暗闇の恐ろしさを思い知らされた。　で、奈々ちゃんは余裕の楽勝だった。「直ちゃん、すっげえ恐がってたなー」　帰り道で三十回は笑って言いやがってムカついた（笑）。　そのままラブホに行く。　いまだに女と女のカップルはそんなに珍しいのか。　すれ違ったカップルさんにじーろじーろ見られる。　見てんじゃねえ！　なんて思わないのさ。むしろ、見ろ！　見てみやがれ！　この美麗で華麗で百合なワシらを！　って感じだ。ヘヘーンだ。　遊園地での諸々の仕返しをたっぷりする。　奈々ちゃんはクリトリスを直接触わられるのがまだ苦手なのだが（嫌いというわけではなくて感じすぎて痛いから）、皮を剥いてたっぷり苛めてやった。　そろそろと触わって、痛いと感じるぎりぎりのところでやめて、少しだけ痛くして、また、そろそろに戻して、という悪魔のような触わり方をしたら、奈々ちゃんはイキっぱなしになって、「あ、ダメ、本当にイヤ。もうやめて、直ちゃん、お願い」と泣いてしまった。泣かれたって、当然しばらく止めなかったけど。　たっぷり苛めるといっても、まあ、こんなのはしょせんお遊びだ。しかし、あれくらいで「もうやめて」なんだから、まだまだ体が若いんだなぁ。「セックスのとき、どうして千佳ちゃんみたいにあたしのことは苛めないん？苛めればいいじゃん。苛められたいわけじゃないけどさ」　奈々ちゃんは時々、不満げに言うけれど、やっぱり奈々ちゃんとはお遊びを越えた、本当に私が望むセックスはできそうもない。そっちの側に引きずり込んだらかわいそうだなって思う。今のままでいたい。　買ってきたオレンジ色の風船は丸きり根性がなくて、一日もたってないのにもうプシューっとしぼみはじめている。
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