１１月３日（水）
	変態は風に乗って
	拡張は何もアナルに限らない。尿道だって拡張できるのだ。 　今日は久しぶりに尿道プレイを満喫。やっぱりボールペンの芯、じゃなくて 本体ごとずっぽり見事に入ると、Ｍ男も女王様も共に満足感を覚えるな。 「僕は変態です」と、尿道に入ったままのボールペンでお習字をさせてみた。 　これって、男版花電車か？ 　いやー、愉快愉快。思わず、自分が女王様ということを忘れて拍手しそうに なってしまった。チンコで字を書くんだからすげえわ。 　せっかくなのでアナルにマジックペンも入れさせた。こんどはケツ習字。 「これは、ケツの穴にマジックペンを突っ込んで書いた字です。僕は恥ずかし い変態です」と書かせる。けっこう達筆なのが笑える。 　ワシはかなり字が下手なほうだ。Ｍ男のこのアナル習字のほうがよっぽど上 手でうらやましい。というか小癪だよ、ケツで書いた字のくせに（笑）。 　このＭ男とは、プレイが終われば、ごくふつうに話す。わりと仲がいい。 「今日はこのあと、忙しいですか？」 　Ｍ男が訊いてきた。 「なんで？」 「明日が僕の誕生日なんで、一日早いですけど、一緒に食事にでも行ってもら えたらと思いまして」 　忙しくはないが、私を外に連れ出すなら、それは野外プレイ料金ということ なる。「ふつうのプレイの三倍になるけどいいの？」と言うと、かまわないと 言う。外に出ると夕方だった。空気がぴりっと冷えている。もう冬だ。 　私は、Ｍ男が書いた習字の紙をバッグに入れて持ってきていた。思いついた ことがあったのだ。 「これ、歩道橋の上から撒こうよ」 　バッグから紙を出して、私は言った。 「そ、それをですか？」 「一緒に撒こう。ほら」と言って、Ｍ男にも紙を渡す。 「ハッピバースデー、ヘンタイ！」 　私は紙を下に落とした。ひらひらひらひら、それは舞い、風に乗って驚くほ ど遠くのほうに飛んでいった。 　Ｍ男も慌てて、私につづいた。 「ハ、ハッピバースデー、ヘンタイ！　な僕」 　Ｍ男が落とした紙も、風に乗って飛んでいく。付け足した「な僕」が妙にお かしくてかわいい。 　オレンジ色の夕日の中を怪しい紙がくるくる舞う。いい眺めだった。私とＭ 男は、遠くに落下していく紙をじっと目で追った。 　誰かが拾うだろうか。こんなもの拾ったら、どんな顔をするんだろう。想像 すると、アハハ、まったく愉快だ。
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