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	２月２１日（月）
	Ｍ男のシッポ

	ごくごくたまに、街を歩いていて、もしやあの男女は！　と直観的に感じて見つめてしまうことがある。もしや野外プレイ中？　そうピンとくるときがある。まあ職業柄（笑）。　今日はＭ男と一緒に電車に乗った。事前準備にＭ男には浣腸。アナル栓できっちり蓋をしてお出かけする。　けど冬は特別手当てが欲しいよなあ。外、すんごく寒いんだもん。　平日の昼の車内は混みすぎず空きすぎず、ほどよい数の「観客」がいた。「チャックを下ろして、腰掛けるのよ」　ワシの命令にＭ男の顔が真っ赤になる。　なーにを真っ赤になってんだ、元々、自分の希望のくせに（笑）。　こういうときのＭ男ってホントかわええなあと思う。だって、自分が希望しておいて、自分で「そんな恥ずかしいことしなくてはならないなんて！」と青ざめたり、真っ赤になったりするのだ。おもろかわいいよなぁＭ男って。　ズボンのチャックを全開にし、まわりの人には見えないがケツにはアナル栓をしている男が座席に座る。　私はちょっと離れた場所からそれを見る。電車に乗っちゃえば暖房がきいてるからラクチンラクチン。とたんに眠くなってしまって困った。　目を開けてなければーっ。チャック全開で恥ずかしさいっぱいのＭ男のヤツを「フン」と鼻で笑ってやらなければーっ。でも眠いーっ。仕事中なのにー。　眠気と戦い船を漕ぎそうになる女王様。ってカッコわるいよ、おい。　しかし、チャック下ろして座ると、見事にパンツが見えるんだな。パカッって感じで開いちゃって目立つのなんの。　みんな、チラチラとＭ男の股間を見ておった。　平日の昼間でも若人が車内にはいるもので、ギャルらがクスクス笑っていたのは、野外プレイ的にはこれ以上ない高得点だろう（笑）。プレイに参加してくれてありがとう！　ギャルたち！　まさかＳＭプレイに参加しているとは夢にも思わないだろうがな。　Ｍ男がおどおどした目でワシの顔をチラッと見た。次なる指令の実行だ。　ワシは「やれ」と目で言う。Ｍ男は持っていたスポーツ新聞を何気なく広げながら両股をがばっと広げた。アハハ。すげー、白いパンツが丸見えだ。　ギャルらのクスクスがさらに盛り上がった。　ワシは席を立ち、何気にＭ男の近くに行く。Ｍ男の席のそばのドアのところに立つ。Ｍ男の鼻の頭に脂汗がぴっしり浮いてるのを確認した。　アナル栓を吹き飛ばしてウンコが吹き出てしまったらたいへんなので車内プレイは一駅。電車を降りたあとはＭ男を駅のトイレに直行させる。　ここでＭ男のケータイからワシのケータイにかけさせ、通話オッケーにしておくのが大事だ。個室に入ったらしいＭ男のケータイから「ズビビビッ」とウンコが吹き出る音が聞こえてきた。ケータイに音が聞こえるくらいだから、小便してる男たちにはばっちり聞こえてるはずだ。　ウハハ。これは恥ずかしいぞぉ。　このＭ男は常連でワシのお得意さんだ。こやつとは野外が多い。　去年の夏はよく野外脱糞したなあ。楽しかったなあ。　人通りがほどほどな道を選んで（人寂しい場所ではだめなのだ）、人の通りが途切れた隙を狙ってＭ男が脱糞してくるというちょっとスリリングなプレイだ。闇にぼーっと浮かび上がるＭ男の白いケツ。それがワシの夏の思い出。やな思い出ー（笑）。「ウンチ出してきましたっ！」そう言って、ワシのところにまっすぐ駆け寄って来て報告するＭ男は、ワシにとっては飼い犬のようなものだ。飼い主が投げたボールをシッポを振りながら口にくわえて走って持ってくる犬と同じだ。　よいＭ男はどこまでも女王様に従順だ。「よくできたわね」と女王様に一言褒めてもらいたい一心で、アナル栓をして電車に乗り、道で脱糞する。　ＳＭとトラウマを単純に結び付けることは危険だが、ＳＭがトラウマを溶かすのに役立っているのではないかと思うことがたまにある。　今日のこの野外マニアのＭ男は、子供のときに両親の愛情をまったく得られなかったことを以前、私に打ち明けてくれた。　彼は幼いころ、親戚中をたらい回しにされ、回された末にどこも引き取ってはくれず、ずっと施設で育った。むちゃむちゃ頭がよいキレ者なので、現在は自分で会社を興して社長になっている。　彼が私のところに駆け寄って来るとき、ボールをくわえて全速力で走ってきて、飼い主によしよしされたいシッポを振った犬が私にはダブって見える。　Ｍ男には二種類いて、「よくできたわね」などの褒め言葉を一切かけてもらいたくないタイプと、絶対に褒め言葉が必要なタイプがいる。彼は後者のＭ男である。だから、私は毎回必ず褒めてやる。　彼の向こうに私は自分の姿もダブる気がして、時々ドキッと恐くなる。　原稿料とＳＭクラブで働いてもらった金は私にとっては異なる種類の金のようだ。ワシがもらえる原稿料なんてすーっごく少ないんだけど、どうも自分のためには使えない。なぜだかわからないけど使えない。　原稿料が口座に入ったらすぐにその額を、彼女たちへのプレゼント代に使ってしまう。原稿料の分が口座に入ってるのがイヤなのだ。宵越しの原稿料が持てない人なのだ。これって変？　でも、なんで自分のものが買えないんだろ。わっかんねえ。　今月はリトルモアにようやく請求書を送ったんで、ちょっとまとまった金が入る。純ちゃんの新居にデジカメがないのでプレゼントせねば。　サンヨーの動画も撮れるデジカメを新居のお祝いとしてプレゼントしよう。「えーっ。動画も撮れるの？　なんか恐いから遠慮しとくー」　なんで恐いの（笑）？　喜んでよー！
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