２月１９日（土）
	団結よりもトンズラを
	インターネットのおもしろさは混沌、カオス、自由、だとは思うけど、あん まりにもどろどろの匿名ゆえのウサ晴らし書き込みを見ると、なんつーか、寒 いわな。 　風俗嬢サイトの掲示板を見てると、たまーにそういうのにお目にかかる。 　ヤツらは風俗嬢が書く本音に耐えられないんだと思う。しょせん金さえ出せ ばひざまずいて俺のチンポしゃぶるくせに何生意気なこと言ってやがんだ、と いう意識がヤツらの書き込みにはスケスケに透けて見える。 　しょーもない醜い書き込みをした後、ヤツらはどんな気持ちになるのかな？ 　きっと、みじめな気持ちでいっぱいになるんじゃないかな？ 　醜い書き込みの代償は、結局自分が払わされるとワシは思うけどね。 　あと、風俗嬢に笑われたくないなら、風俗嬢を「姫」と呼ぶのはやめたほう がいいな（笑）。ぜんぶの風俗嬢がそうとは言わんけど、少なくともワシの知 り合いの風俗嬢は百パーセントその言葉を「気持ちわり〜」と言っている。 　ワシ的には「オキニ」も勘弁してほしいな。きーもーわーるーいー。 　あ、オキニっていうのは風俗用語で「お気に入りの女の子、店に行ったら指 名する女の子」ってことだ。 　もっとも、女王様は「姫」とも呼ばれないし、Ｍ男から「オキニ」呼ばわり されることもないからいいけど。 　風俗嬢労働組合結成の動きがあるのだそうだ。 　なんじゃそら。ギャグか？　いるかそんなもん（笑）。アホくせえ。めんど くせえ。自分が働きたくないほどひでえ店だったら、とっとと店かえればすむ 話だ。店バックレ、トンズラこそ風俗嬢の十八番だろう。 　風俗に団結なんて合わねえっての。自分にとって一番いい環境で一番稼げる 店を個人個人で探して生き泳いでいくのが風俗嬢なんじゃないの？ 　ハイリスク、ハイリターンの仕事なんだからさ。 　女装の芥川賞受賞作家こと藤野千夜の受賞作品「夏の約束」に対する石原慎 太郎の選評を読んでのけぞった、というか笑った。 　以下引用。 「藤野千夜氏の『夏の約束』はホモという異常な世界を余儀なくする主人公た ちのスケッチだが、これがまともなヘテロの人間世界だったら何の劇性もあり はしまい。という批評は偏見に依るものだといわれても、私にはあくまで一人 の読者として何の感興も湧いてこない。平凡な出来事の中で描いてホモを定着 させることが新しい文学の所産とも一向に思わない。私にはただただ退屈でし かなかった」 　アハハハー。大爆笑。 　作家と同時に東京都知事という顔を持ちながらも「偏見」を隠そうとしない なんて、ある意味、ものすごく正直な人なんだろうなあ。 　ホモは異常な世界、ヘテロはまともな世界。なんだな、慎太郎にとっては。 　ホモが異常なら当然、レズビアンもバイセクシュアルも異常なんだろう。 　まともと異常、ねえ。なんかすごい可笑しいんだけど。 　文学者のくせに、「異常」とか「まとも」とかそんな言葉しか使えねえの？ 　それ、作家として怠慢じゃねえ？ ずさんすぎねえ（笑）？ モノカキとし て終わってねえ？ あ、だから政治家になったのかぁ。 　慎太郎風に言うと、さしずめこのサイトは、 「NAO氏の『NAO's Blue Film』はバイセクシュアルやレズビアンという異常な 世界を余儀なくする主人公たちのスケッチ」ってことになるのかな？ 　ワシはバイセクシュアルという異常な世界を生きてんのか（笑）？ 　違うだろー。ワシ個人はまともじゃないし、ワシが異常だと言われるのは一 向にかまわんが、それはバイセクシュアルとは直接的には関係ないだろー。 　一言だけ言うなら、クソでも食らえ、慎太郎！
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