２月１６日（水）
	ブックスＮＡＯ堂と煎餅猫
	生理二日目。例によってどんよりどんより〜。 　昨日のケチャマン初日はいつにもまして腰が痛かった。 　切り傷みたいなピントのあった痛みなら我慢のしようがあるんだが、生理痛 は焦点がはっきりしない痛みなので誠に気持ち悪い。腰のあたりが全体的にど んより痛いんだよなあ。 　今は受験シーズンらしいけど、試験当日に生理に当たった女の子は不運だと 思う。生理痛ひどい人なら偏差値二十は下がるんじゃないか（笑）？ 　たとえば小論文だったら、むちゃむちゃ攻撃的な文章書いちゃったり、もし くはやたら無気力な文章書いちゃったりとか。 　薬で生理をズラして試験に臨んでるギャルも当然いるだろうな。 　仕事休み。松寿司でご飯食べて、夕方から本屋で散歩。 　将来、ワシは何かの店を持ちたいなあと思ってるが、実はその何かというの はほぼ決まっている。ワシは本屋をやりたい。 　喫茶店のある本屋ってどう？ 　飲み物は百パーセントのジュースとコーヒー。 　バナナジュース（もちろんフィリピンバナナじゃなくて台湾バナナだ。フィ リピンバナナは食べたあとに口の中がいがらっぽくなるから苦手）、林檎ジュ ース、オレンジジュース、トマトジュースの四本立てを考えている。 　コーヒーはよくわからんが挽きたての豆で（笑）。ワシは子どものときはネ スカフェっ子で今は缶コーヒー専門なので、本格的な味というものがわからん のだ。けど、喫茶店っていったらやっぱり挽きたてなんだろう。豆に凝るんだ ろう。そうに決まっている。 　レジにはぜひともカワイコちゃんのアルバイトを雇いたい。ムフ。 　将来の話はさておき、最近の雑誌はどうもつまらない。 　読みたいのって「紙のプロレス」と「噂の真相」くらいだもん。 「週刊プロレス」なんて、ワシは小学生のときから毎週買ってたのに今じゃ立 ち読みすらしない。こんな古参兵のような歴戦のファンに、週プロはツラ向け できんのか？　インターネットはじめるまえは、大一番の試合結果が気になっ て、「週プロ試合結果テレホンサービス」にせっせと電話していた、この可愛 らしいワシにツラ向けできんのか？　リダイアルリダイアルの連続で一時間も 電話をかけつづけたいじらしいワシにツラ向けできんのか？ 　できねえだろう。 「紙プロ」の最新号を読んでて笑った箇所。 　座談会で、我が愛しの前田日明に関するベリグーなエピソードを紙プロ編集 長が暴露している。レスラーのインタビューはその場ではおもしろい発言をし ても、後になって原稿をセコセコとチェックしてそこを削っちゃう人がいるら しいんだけど（ま、トラブルを避けるために）、前田の場合はチェックはチェ ックでもさらに過激な表現に直してしまうんだそうだ。 　アッハッハッ。さすがアキラ。 　山田さんちの門には、天気がいいと、たまに猫が乗っていた。 　山田さんちの猫なんだろうけど、いつ見ても汚かった。耳がちぎれてるし。 　半分、ノラなんだろう。赤ドラ模様だから、「アカ」とワシは名前を付けて いた。 　どこを見てんだろうなあ。アカはいつもどっか遠くをじーっと見てた。アカ に限らず、猫はどうして遠くのほうを眺めるんだろうか。 「アーカ」と言って近づいてみたことがある。かなり側に行っても、アカは逃 げなかった。頭に手を延ばしてみた。すると、「フーッ！」とアカは牙を向い て、シャシャッと鎌のように前足を振り上げやがった。危うく引っかかれると ころだった。 　本屋の帰り道、猫の死体があった。たぶんおそらくアカだった。何回か轢か れたのか煎餅のようになっていた。煎餅になっちゃったかぁ、アカ。 　道路で煎餅になってる猫を見るのが、ワシは嫌いじゃない。かわいそうにな あと思う一方で、妙にざわざわ惹かれるのも事実だ。悪趣味だけど、ワシは煎 餅猫がとてもかわいい。 　こんなにまったいらにペラペラになっちゃってまあ。見てるうちに、可笑し くてかわいくて、くすんと笑いたくなりさえする。 　ワシはろくなもんじゃないから、ろくな死に方はしないだろうなという予感 がある。どこかの路上で煎餅のごとくペラペラ死んでるのも悪くないかなあ、 なんて漠然と空想しつつ家までの道を歩く。
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