１２月２１日（火）
	まんこの塩
	このところ店への出勤率が悪かった。 お抱えのＭ男どもに忘れられちゃったかなー？　なんて神妙なことを思って いたら、あるＭ男が「予約の取りにくさもプレイのうちです！」と言ってくれ た。ういヤツじゃのぅ。 　ワシが出勤してないあいだ、勝手に放置プレイで身悶えてるなんて、もうす っかり一人前のＭ男だな（笑）。女王様は嬉しいよ（助かるよ）。 　マイナス材料をプラスに転化するＭ男の思考方法を、みんな、見習うべきだ ね。一般の人にとっても参考になるんじゃない？　ならない？ 　今月も生理不順。先月みたいに月に二回ってことはないが、一回が長い。 　なげー。終わらねえ。十日過ぎても、血が止まらねえ。超ヒットロングラン 上映だ。ありがたくねえ。婦人科、行ったほうがいいのかもしれんな。 　日本人は、いつからこんなに腹っぺらしの情けない民族になったんだろか。 　何なの？　何で電車の中で、みんなメシ食うの？ 　サラリーマンはカロリーメイトぼりぼり食ってるし、若いおなごは座り込ん で弁当食ってるし、チョコとかならまだ理解できるけど、どうしてバナナ食っ てる人がいるの（笑）？ 　ワシ、説教好きのオバサンじゃないよ？　一応、社会的にはアウトローのＳ Ｍ嬢よ？　そんなワシが社会のモラルの低下を嘆いてるって、どこかおかしく ない？　不条理じゃない？ 　新幹線じゃないんだからさあ。隣の席でバナナの皮むかれだした日には、ぎ ょっとするよマジ。 　電車の中で、千佳ちゃんにそっくりの人を見かけた。 　あ、と思ったときにはもう、その人のところまで駆け寄っていた。反射的に その人の頬に触わっていた。 　うつらうつらしていた女の人が、ビクッとして顔を上げる。 　「す、すいません、人違いでした」 　心臓がバクバクした。 　まるで別人だった。 　千佳ちゃん、見事にメール一本、電話一本くれやしないなぁ。 　たぶん、今頃の季節だった。 　母と一緒に風呂に入っていた。うちは古い家で、薪をくべる五右衛門風呂だ った。でっかい釜のような風呂だ。 　母が私に話しかけてきた。びっくりした。母親が話しかけてくるということ は私にとって事件だった。 「ここには、お塩がたまるから、こうやってちゃんと洗わなくちゃいけんよ」 　母は自分の陰部のびらびらをかき分けて洗ってみせた。 　おかあさんに話しかけられた！　私は嬉しくなって、ドキドキして、母を真 似して、つんつるてんのワシのマンコを不器用に洗う。 　そうか、ここには塩がたまるのか。なるほど、白いカスが時々あるもんな、 これは塩だったのか。まだ幼稚園だったワシは思った。 　それから一週間くらいは、ワシは風呂に入るとゴシゴシ強く洗いすぎて、マ ンコをヒリヒリさせてしまった。 　何で、母は唐突にそんなことを教えたくなったのだろうか。 　今、思い返すと、なんだかおかしい。 　それが私がはじめて母に話しかけられた記憶である。
	←Back　　　 Index　　　Next→