８月１９日
	さよなら、スベカラク先生
	スベカラク先生は国語の先生だった。 　先生はとてもおもしろい喋り方をする。「ふぇ〜〜」と息が漏れるような不 思議な声を出す。 「ふぇ〜、それでは五十三ページ」 「ふぇ〜、今日はここまで」 「ふぇ〜、ここは試験に出ますから」 　モノマネの対象になりやすい先生だった。 　先生は「お喋りさえしなければ何をしていてもいいです」という、教師とし てのやる気ゼロの人だった。マンガを読んでても、寝ててもいい。ただし、う るさくしないこと。それが先生の授業。 　だから、ほとんどの生徒は寝ていた。私も安心して寝た。 　いつだったか、涎を垂らしながら寝ていた私がふと起きて、びっくりしたこ とがあった。 　生徒、全員、寝てやがんの。いやー、これは壮快な眺めだった。なかなか見 られるものじゃないですよ、こんな光景。 　そして、先生も教壇に立ったまま、うとうと寝てた（笑）。 　日差しがぽかぽかあったかくて、確かに絶好の居眠り日和だったのだけど、 それにしてもクラス全員寝てたとはなぁ。 　たまに起きて、授業を聞いたこともある。 「ふぇ〜、『すべからく』を、ふぇ〜、『すべて』の高級表現だと思って誤用 してる人は、ふぇ〜、ほんとに多いんです。ふぇ〜、新聞記事にすべからくが 出てきたら、ふぇ〜、気をつけて見てみなさい。そして、ふぇ〜、誤用してた ら笑ってやりなさい、ふぇ〜」 　先生はミニ呉智英のような人だった。 　すべからくは、「〜〜すべし」という意味の使い方が正しいのだそうだ。 　中学生だった私は、新聞、雑誌ですべからくの誤用を見つけると、わー、間 違ってやがる〜、と得意気に思ったものだった。 　先生の授業を聞いた生徒は（たまたま寝ずにね）、私同様、みな、こまっし ゃくれた生意気なイヤ〜なガキになったはずだ（笑）。 　先生は「ふぇ〜」と言いながら、そういう言葉に関するちょっとおもしろい 話を、一つの授業で必ず一つしてくれた。 　学校の教師なんて大嫌いな人ばっかりだったけど、先生のことは大好きだっ た。 　先生が亡くなった。 「こないだ、ふぇ〜、死んだよ。交通事故」 　実家に電話したとき、同じくふぇ〜に習ったことのある妹から聞いた。 　子どもをナメてるとしか思えない、変ちょこりんなムカツくグループ活動を 生徒に押しつける日教組教師集団の極北にいたのんびり先生、教職員の輪から 浮いていて、他の先生たちからバカにされてたのけ者先生、生徒にモノマネさ れて笑われていたかっちょわるい先生、ほとんど私が唯一好きだった先生。 スベカラク先生、さよなら！ 　ホームページ、photo に画像追加。 　ホームページには今のところ、ここでアップしてる日記と、長めのエッセイ をいくつかしか載せてないのだが、カウンター回ってんなぁ。 　バカが来るのがヤだから、掲示板は置いてないんだけどな。やっぱり画像が 目当てか（笑）？ 　本日のあんぽんたんメール 　カズ＠ドコモ 「メル友になって！　メールちょーだい！！　あそぼ＼(^0^)／。東京在住の カズです。ヒマっす！！」 　死にくされ。一生ヒマしてろや。 人様にはじめてメール出すとき、ツラ文字使うかふつう？ 「あちゃら」あたりの「メールはじめたばかりでーす。返事確実！！　いっぱ いメル友ほしいなあ(^0^)」なんつーヌルい奴らにメール出してろや。 　メル友、まにあってんだよ！　いらねえんだよ！　つーか、メル友なんて言 葉を使う奴の神経が知れねえんだよ。 　気色わりいんだよ。あそぼ、じゃねえんだよ！！　幼稚園か貴様？
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